研究課題/領域番号 |
19K17198
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
佐々木 康二 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10815989)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インドシアニングリーン / 急性腸間膜虚血症 / 動注 / 静注 |
研究実績の概要 |
令和3年12月、神戸大学附属動物実験施設においてウサギ2羽を用いて腸管虚血モデルを作成してインドシアニングリーン(ICG)動注群:1羽と静注群:1羽の腸管血流評価を施行した。いずれも右鼠径部をcut downし、右総大腿動脈および大腿静脈を露出し、22Gサーフロー針で確保した。動脈側をミニアクセスキットの4Frシースに交換して先端可動型ハイフロー型マイクロカテーテルを用いて上腸間膜動脈を確保し、エンボスフィア100-300μmを上腸間膜動脈から投与して腸管虚血モデルを作成した。その後、1羽はそのまま動注用ICG溶液(ICG25mgを10mlの注射用水で溶解してさらに蒸留水で100倍に希釈したもの)、もう1羽は大腿静脈より、静注用ICG溶液 (ICG25mgを10mlの注射用水で溶解してさらに蒸留水で5倍に希釈したもの)をそれぞれICG:0.5mg相当となるように投与した。その後、開腹下に露出した腸管を蛍光カメラで観察して血流評価を実施したが、動注群と静注群で明らかな差異は認めなかった。ICGは、十分な希釈下で蛍光作用を発揮するため、動注群では静注群に比べて20倍希釈した溶液を投与した。しかしながら、大循環での希釈が生理的に優れているものと思われ、静注群でも十分な視認性を持って蛍光作用が発揮されることがわかった。現在、広く行われているICG静注による腸管血流評価で臨床的な評価は十分可能と考えられた。今回のウサギを用いた実験はいずれも全身麻酔下に行い、腸管血流評価後にはそのまま麻酔薬の大量投与を行うことで苦痛を与えることなく安楽死させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍で実験に若干の遅れが出ていたが、概ね問題なく進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、動注用ICGの濃度変更などを行い、実験を継続するかどうか検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ウサギ実験に使用した物品(蛍光カメラのレンタル代、カテーテル代など)やウサギに関わる経費、関連学会への参加費、データ管理用のパソコン・モニター購入などに経費を使用した。
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