研究課題/領域番号 |
19K17201
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
三田村 克哉 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20715081)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脳循環代謝 / 重症度評価 / SPECT検査 / PET検査 |
研究実績の概要 |
標識酸素ガスPET/CT検査において脳血流量 (CBF)、酸素消費量 (CMRO2)、酸素摂取率(OEF)を算出するために酸素と二酸化炭素をそれぞれ投与し、超迅速法にて画像を取得している(従来法)。一方で理論上、酸素のみを投与して得られたPET画像から機械学習を用いて定量画像を作成することが可能である (Single-tracer AI法)。本研究では、Single-tracer AI法によりCBF、CMRO2、OEFを算出することが可能か検証を行った。 方法として、Single-tracer AI法では、従来法で得られたデータから酸素のみを投与したデータを抽出し使用した。訓練用158例、検証用10例を用いて機械学習(U-Net)を行った。評価として従来法とSingle-tracer AI法で得られたCBF、CMRO2、OEFの定量値をそれぞれ比較した。解析領域は、大脳半球、前大脳動脈、中大脳動脈、後大脳動脈、視床、橋、小脳虫部、小脳とした。 結果として、従来法と比較してSingle-tracer AI法で得られた定量値は、CBFは約45~160%、CMRO2は約7~45%高く算出され、OEFは約59~88%低く算出された。結論として、Single-tracer AI法により定量値の算出は可能であったが、従来法とは乖離していた。これを改善するためには、機械学習方法の変更や解析プログラムの改良が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳循環代謝障害患者に対し、酸素標識ガスによるPET検査と脳血流SPECT検査が実施できている。また、PET検査では機械学習を用いた検討を行った。PET検査と脳血流SPECT検査の比較検討を少数例ではあるが行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は脳循環代謝障害患者に対し、酸素標識ガスによる通常のPET検査を教師データとし、機械学習を用いた脳循環代謝画像の作成を試みた。今後も症例を追加し、今年度得られた結果をもとにして、さらなるプログラム改良を試みる予定である。また、脳血流SPECT検査も実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学会出張が取りやめになったため(使用計画) 学会出張費に充てる
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