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2019 年度 実施状況報告書

α線放出核種Ra-223を用いたRI内用療法薬開発を可能とする放射性標識法の創出

研究課題

研究課題/領域番号 19K17204
研究機関横浜市立大学

研究代表者

高田 由貴  横浜市立大学, 医学研究科, 特任助教 (50348463)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードRa-233 / α線放出RI内用療法薬 / アニオン性フタロシアニン / レーキ
研究実績の概要

容易に入手可能ないくつかのアニオン性フタロシアニン(APC)、具体的には銅フタロシアニンテトラ、トリおよびジスルホン酸等の水溶液に対して、223RaCl2溶液を加えレーキ化を試みた。補助としてBaCl2溶液を添加したところ、予備実験の通りバリウムレーキの作成が可能であることを確認した。これらを遠心分離し、レーキと上澄みに分けてそれぞれの放射能量を測定し、223Raの分布を調査したところ、大部分の223Raは上澄みに存在することがわかった。
この結果より、水に可溶なレーキの存在や各APCの水溶液に溶存する炭酸の存在を疑った。そこで、223Raよりも比較的取り扱いの容易な放射性バリウム(Ba-133)を使用することにし、種々の条件で検討することにした。
まず、各APCの水溶液に大過剰のBaCl2溶液を添加し、レーキを沈殿させ、その上澄みにAPC由来の化合物が含まれるかどうか調査したところ、中心金属がアルミニウム、亜鉛のフタロシアニンテトラスルホン酸や銅フタロシアニンジスルホン酸、トリスルホン酸の混合物からは水溶性レーキの存在が示唆され、そのままでは候補化合物としては不適であることがわかった。
次に、上記の上澄みにAPC由来の化合物の存在が確認できなかったいくつかのフタロシアニンテトラスルホン酸に対して、溶存するすべてのフタロシアニンテトラスルホン酸がレーキとして沈殿しない量のBaCl2溶液をあらかじめ加えてからBa-133を加える等の手技や、フタロシアニンテトラスルホン酸の量や濃度、添加するBa-133の量や濃度を変化させてレーキ化を検討したところ、標識率50%を達成することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

中心金属の有無や種類の異なるいくつかのアニオン性フタロシアニンのうち、目的とするレーキを生じる候補化合物を絞れたこと、また、放射性バリウム(Ba-133)を用いた標識において、標識率50%を達成したことから、研究はおおむね計画通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

引き続き、入手可能なアニオン性フタロシアニン(フタロシアニンテトラカルボン酸など)から候補となる化合物の選定を行い、放射性バリウム(Ba-133)を用いて標識率の向上を目指す。また、候補から外れた化合物(銅フタロシアニンジスルホン酸、トリスルホン酸)の精製を試みる。さらに、Ra-233を用いて同様の標識率でレーキが得られるか検討し、ある程度(50%程度)の標識率が得られれば、脳腫瘍などのがん細胞に対する抗腫瘍効果の検討を行う。抗腫瘍効果が見られれば、体内分布、生体内の安定性についての調査も試みる。

次年度使用額が生じた理由

使用する放射性バリウムやRa-223の提供があったため。
必要な物品購入および旅費その他経費として適切に利用する。

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公開日: 2021-01-27  

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