研究課題
光音響イメージングによるリンパ管の描出法や、画像診断の体系を確立することを目指し、以下の研究に取り組んだ。1 ファントム試験: 内径0.1から1.0mmのシリコンチューブにヒトアルブミン製剤を溶媒とするICG溶液を容れて撮影を行った。ICGは5mg/mLを原液とし、各濃度に希釈して、それぞれについて撮影を行った。浅いイントラリポス内における観察において、1000倍に希釈されると、赤外線カメラによる蛍光観察では検出できたICGが、光音響イメージングでは検出されなかった。2 臨床試験: 蛍光観察において、ICGの注射後 数分以内の早期に出現したdermal backflowは、光音響イメージングでも明瞭な3次元の網状像として描出される傾向を認めた。反対に、数十分以上を経過してから出現したdermal backflow(主にいわゆるdiffuse pattern)については、光音響イメージングでは描出されない傾向をみとめた。集合リンパ管の存在を示唆するlinear patternについても同様の傾向を認め、蛍光観察で認められたlinear patternについては光音響イメージングでも描出された。蛍光観察ではdermal backflowによって観察が困難な場合においては、光音響イメージングでのみ観察可能な集合リンパ管が見られた場合もあった。3 画像解析: ICGの注射後 早期における蛍光観察画像は、光音響イメージングにおける比較的深部の画像に近い傾向を認めた。蛍光観察ではリンパ管の体表からの深さを知ることはできないが、光音響画像では、画像を3次元的に解析することで、各リンパ管の体表からの深さを求めることが可能であった。健常者とリンパ浮腫患者との比較では、集合リンパ管が位置する深さは、リンパ浮腫患者で優位に大きいことが示された。
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