研究課題
若手研究
半月板損傷以外に半月板位置異常には3つの形態学的特徴があった。内側側副靭帯と半月板間の石灰化、冠状靱帯に沿った石灰化の積層、半月板冠状靱帯付着部の内側側副靭帯への短絡である。石灰化には段階がありターンオーバーを繰り返して一部は骨棘にリモデリングされ、一部は硬化し半月板を固着していた。内側コンパートメントの石灰化は半月板位置異常のみならず、変形性膝関節症のトリガーになっている可能性が示唆された。
放射線科学関連
変形性関節症(KOA)は加齢性疾患とされ、同時多発的に様々な兆候が表れるため発症機序や治療法に関しては未解決問題である。組織学的基礎研究は進んでいるが生体から初期OAの組織は得られない。今回未発症OAのMRIデータから組織学的基礎研究と一致した結果が得られ、OAの始まりが半月板損傷による側副靭帯の石灰化であること、半月板断裂がOAへの進行に大きく寄与することが判明した。治療法開発やOAへの進行抑制のヒントとなる成果が得られた。