| 研究課題/領域番号 |
19K17211
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| 研究機関 | 愛知学院大学 |
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研究代表者 |
木村 将士 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (80619164)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 口腔癌 / PET / 腫瘍内 / 不均一 / テクスチャ解析 / Radiomics / 画像診断 / 予後予測 |
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| 研究実績の概要 |
口腔癌診療におけるFDG-PET/CT(PET)検査は、近年、頚部リンパ節転移や遠隔転移の診断だけでなく原発腫瘍の評価においてもその有用性が示されている。本研究の目的は口腔癌患者のPET画像を解析することにより、予後評価やリンパ節転移診断に有用な新たなPET指標を確立することである。申請者は特に腫瘍内での放射線性薬剤(FDG)の不均一な集積に着目した解析を行っている。初年度にまず、腫瘍内の不均一性を簡易的に表す不均一性指数 (Heterogeneity index; HI)が高値を示す症例では予後不良となることを明らかにした。さらに申請者は、人間の視覚では判別することが困難な微細な腫瘍内での不均一性の変化をコンピューター支援技術により判別する手法であるテクスチャ解析を応用することにより、従来の画像解析法よりも正確な予後予測が可能となることを報告した。テクスチャ解析は比較的簡便に実施することが可能であり、将来的に日常診療における腫瘍評価にも応用可能な手法であると考えている。昨年度はテクスチャ解析を頸部リンパ節転移の診断、化学療法の効果予測に応用し、その有用性について学会発表および論文投稿を行った。さらに本年度はこれらの研究成果の総括を海外学会にて報告した。また現在、予後不良が予測される症例に対する治療立案等についても検討を開始している。テクスチャ解析により得られる情報は多岐にわたるため、病理学的変化や腫瘍免疫との関連など、今後もさらなる検討を行う予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究当初に予定していた研究は初年度に終了し以降はテクスチャ解析を応用した研究を継続している。テクスチャ解析を原発巣の予後診断およびリンパ節転移診断、化学療法の効果予測に応用し、これらの有用性を示す論文4編が国際雑誌に掲載された。またうち1編は2次出版として日本口腔腫瘍学会雑誌に掲載され、本論文は2021年の日本口腔腫瘍学会賞を受賞した。また、これらの研究経過の総括を2022年のドイツ口腔顎顔面外科学会においてシンポジストとして発表した。今後はさらなる臨床応用として、テクスチャ解析により予後不良が予測される症例に対する治療法等についても検討を進めたい。
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| 今後の研究の推進方策 |
口腔癌の診断、治療における腫瘍内不均一性の評価を多角的に実施し、その有用性を報告してきた。今後は診断のみならず、治療立案における具体的な臨床応用の方法や、その効果について検証すると共に、テクスチャ解析により得られた画像情報と病理組織、腫瘍免疫との関連についても検討を行うことが課題と考えている。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究計画は順調に進行しており、これまでの研究経過を第72回ドイツ口腔顎顔面外科学会にて報告した。当初本学会への参加予算を本年度の旅費として計上していたが、別予算での参加となったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額については今後研究機器の購入や論文投稿費用等に使用する予定である。
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