医療におけるフィルム線量測定には、ラジオクロミックフィルムが一般的に用いられるが、結果取得まで時間を要することや、高価という欠点がある。フォトクロミック分子の化学反応で放射線量に対して可視化できる色素を用いて、課題を打開できるフィルム開発を目指した。放射線診断領域のkVX線に対して感度を持つことを明らかにした。照射後、即座に結果を取得でき、放射線診断領域およびkV γ線を用いる小線源治療での測定に適用できる可能性を示した。放射線治療領域の高エネルギーのX線・電子線に対しては、感度が低く、フィルムでは測定できなかったが、フィルムに塗布する液体の状態では感度を持つことを明らかにした。
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