研究課題
本研究では、BNCTでの治療効果の予測が適正に出来るようにすることを目的としている。本研究では、現在の問題点を解決するために、1.加速器BNCTシステムでの物理線量及び生物効果の評価、2.CT画像によりBNCTの治療を再現し、体内の中性子分布計算を行う、3.18F-BPA画像のSUV(Standardized uptake value)により体内ホウ素濃度分布を算出、4.18F-BPAのPET撮影時のCT画像と治療計画用のCT画像との非剛体位置合わせ(DIR)、5.患者データを後ろ向きに解析して、BNCTの治療効果と線量との関係評価を、当該期間で実施する予定であり、段階的に研究を進めている。「1.」については、国立がん研究センター中央病院での加速器BNCTシステムで物理線量評価及び生物効果の評価を実施し、人体内の線量分布や中性子線の生物学的効果比を算出し、現在、論文報告を行っている。「2.」については、モンテカルロシミュレーション計算コードPHITSと国立がん研究センター中央病院のCT装置を用いて、昨年度からCT画像からBNCTのための体内中性子分布や線量分布の計算が可能となったため、今年度は実際にBNCTを実施した患者での線量パラメータのデータの取得も開始している。「3.」については、昨年度の成果から治療計画支援ソフトMIMを用いて、voxel単位のホウ素濃度計算ができるようになった。そのため、今年度は当院で実施したPET患者のデータ収集を行った。「4.」については、昨年度の成果により、MIMの機能のDIRと組み合わせることが可能となったため、今年度は実際にCTを使用した基礎検討を実施した。「5.」については、当院で実施しているBNCT患者の「2.」で得られている線量データと治療効果の収集を行っている。
2: おおむね順調に進展している
本年度より、実際にホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を行った患者データによる解析が可能となったため、前年度まで実施していた成果を実際のデータに当てはめられるようになった。それにより、プログラムのバグ出しなども進んでいる。さらに、論文執筆も進めており、筆頭著者1本や責任著者1本、共同著者1本の論文が査読付き英文雑誌に採択まで至った。
今後の予定については、引き続き患者データの解析を行いデータ蓄積を行うとともに、より詳細に18F-BPA PET検査の画像を解析するために、従来の項目に加えてradiomicsを導入することで、より完成度の高い研究開発にしていく予定である。また、提出させていただいている研究については、計画書通りに進めていく。
新型コロナウイルスの影響で、実施できていない研究項目などが存在するため。
すべて 2021 2020 その他
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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