研究実績の概要 |
がん診療において,超早期診断や個別化治療の実現化が期待されている。肝腫瘍に対する治療は, 外科的切除術・全身化学療法・IVR(interventional radiology)などがあり,病態により治療法が選択されている。しかし、同じ癌腫であっても腫瘍それぞれで悪性度は違い、治療方針の選択に難渋することも多々ある。本研究の目的は、分子イメージング手法を基礎としたMRI画像を用いて不均一性を定量的に評価し、得られた画像情報で早期治療効果予測や治療効果判定を行い、悪性度や予後の評価を行うことである。2019年度は評価に用いるMRI撮像のシークエンスの調整やデータベースの構築及び解析のための環境整備を行った。 【具体的内容】腫瘍の不均一性を定量的に評価するための肝腫瘍の腫瘍造影率を始めとしたMRI画像におけるパラメータの収集を開始し、線維化や壊死など病理学的なデータを集積する準備を行った。それを行うためのコンピューターや画像解析ソフト、統計解析ソフトを揃え解析環境を整えた。実際の症例集積を開始し、造影率をはじめとした各パラメータや臨床データの収集を行った。 【意義】至適な撮像条件の設定を行い、造影率やDWI, ECR値など複数の独創的なパラメータの条件設定を行うことができた。また具体的な症例集積を開始することができたので臨床データとの相関を研究するためのデータベースの構築が期待できる。 【重要性】悪性度評価を行うために、至適と思われる撮影条件の設定を行うことができた。また、実際の症例集積を開始できたため、加速度的に研究を推進できるようになると考えられる。
|