研究課題
心臓CTの現在の臨床的課題(より精緻な構造の描出とより正確な低コントラスト分解能の達成)を解決するために、強力で汎用性のある我々の開発した4次元ノイズ低減法はその可能性があるが、臨床への実装にはさらなる汎用性をもとめ4次元ノイズ低減法の弱点(心拍依存や位置合わせ時の位置ずれの影響)を補完する手法が必要であり、拡張知能による学習が適しているという仮説に基づき、4次元ノイズ低減法を教師とした拡張知能による新たなノイズ低減法を開発し、さらに現在心臓CTをとりまく臨床的な課題を、この手法の応用によって解決できることを実証した。本年度は、これまで開発したノイズ低減手法の原理的妥当性と臨床的な課題解決に対する検討結果を複数論文報告をおこなった。第一に、冠動脈CTへのこの拡張知能によるノイズ低減法の原理的妥当性を実証する目的で、臨床画像として65%ものノイズ低減を可能としつつ、冠動脈の狭窄度評価に影響を与えないことを査読付き論文に報告した。第二に、上記報告の上、高リスクプラークの有無を診断するための冠動脈周囲脂肪のCT値に対して、本手法によるノイズ低減が診断能を改善する点も報告した。第三に、心筋遅延造影画像においても本手法の応用が可能であることも論文報告している。具体的には、MRIを正解とした場合に、これまでの3分の1の被ばく線量でも本手法を使用することで、現在と同様の診断能の達成が可能であり、さらに現在使用している画像に対して本手法を応用することで、これまで以上の診断能の達成が可能であることを報告した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Academic Radiology
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