研究課題
細胞の亜致死損傷回復は放射線による損傷からの回復能力であり、放射線が細胞に照射された直後から起こり始めることにより細胞生存率に大きく影響を及ぼすため、放射線治療における照射時間の延長は細胞致死効果を低下させる可能性がある。本研究では細胞の亜致死損傷回復といった生物現象を考慮した放射線治療における線量評価システムの開発を目的とする。本研究の目的を解決するため、モンテカルロシミュレーションとマイクロドジメトリモデルを組み合わせることで、照射時間と細胞生存率の関係を導出し、放射線治療計画装置の物理線量に照射時間を加味した放射線生物学的線量評価を行う。2020年度は2019年度と比較して、肺癌や肝臓癌に対するより臨床条件を加味した照射時間と細胞生存率の関係を解析、評価した (Journal of Applied Clinical Medical Physics 2020, The British Journal of Radiology 2020)。
2: おおむね順調に進展している
概ね研究計画調書に沿って研究開発を進めているため、現在までの進捗状況区分は、「おおむね順調に進展している」と評価した。
2021年度は以下の通り研究を推進する予定である。実際の放射線治療により照射を受けた患者データを使用し、放射線治療計画装置が計算した物理線量に生物現象を加味し、放射線生物学的線量計算を行う。
新たに作成した論文校正費として準備していたが、実験データの解析に一部修正事項が見つかり、論文の修正を行った。そのため2020年度中の論文校正に間に合わなかったため。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (8件)
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