根治的強度変調放射線治療を行った頭頸部癌患者40名について、治療前と終了後1・3・6・12か月時点にQOL質問票と味覚検査(甘・塩・酸・苦・うま味)により主観的および客観的な味覚障害を評価した。治療後1か月で主観的・客観的味覚障害を認めた患者の割合は83%、60%であった。治療後6か月以降に客観的味覚障害を認めた患者の割合は63%であった。5つの味質の中ではうま味の低下が最も高頻度であった。QOL尺度のうち全般的QOLおよび食欲低下と、うま味の低下との間に相関を認めた。味蕾を有する臓器(舌・口蓋・喉頭蓋・咽頭上部・咽頭下部)の平均線量と味覚障害との間に有意な関連は認めなかった。
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