画像誘導放射線治療におけるコーンビームCTの患者被ばく線量評価システムの開発を目的に、以下の研究を遂行した。 (1)モンテカルロシミュレーションによるコーンビームCT のヘッド構造のモデリング:Electron Gamma Shower at National Research Council of Canada(EGSnrc)を使用し、Varian Medical Systems社製のリニアックであるClinacとTrueBeamにそれぞれ搭載されているOn Board-Imager、Elekta社製のリニアックに搭載されているX-ray Volumetric Imagerの3種類のコーンビームCTのヘッド構造のモデリングを行い、電離箱を用いた測定値と各装置の頭部条件と骨盤条件において全て5%以内で一致することを確認した。 (2)人体ファントムにおける体内線量分布の計算:(1)で作成したコーンビームCTのヘッド構造モデル及び人体ファントムを用いて、体内線量分布及び臓器線量の計算を行った。人体ファントムは日本人の解剖学的な特徴による線量の影響を反映させるため、日本原子力開発機構で開発された日本人成人男性ファントム(JM-103)と女性ファントム(JF-103)を用いた。CT機種ごとに管電圧、撮影位置を変化させて線量分布をモンテカルロシミュレーションし、臓器毎の線量から臓器線量データベースを作成した。 (3) 任意の条件におけるコーンビームCTの患者被ばく線量算出システムの開発:(2)で作成した臓器線量データベースを用いて、任意の撮影条件におけるコーンビームCTの患者被ばく線量を算出するシステムを開発した。
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