2019年度の研究で製作した新しいマンモグラフィ用検出器構造に、臨床で広く使用されている既存平行グリッドを製作し、グリッドなし、平行グリッドありの時の散乱戦除去率を計算した。それに加えて、先行研究で確認された散乱線除去率を高めるためのフラットパネルディテクタのコンセプトをマンモグラフィ用のディテクタに適応させその有用性を検討した。モンテカルロシミュレーション上で通常の間接型フラットパネルディテクタ(No-grid system)、5:1のグリッド比をもつマンモグラフィ用散乱線除去グリッド(Parallel grid system)、そしてTFT層の真上のSubstrate layerに鉛箔を入れた新しいマンモグラフィ用検出器構造(Novel system)を設計した。三つの構造の性能を評価するために、アクリルファントム(2、4、6cm)の上に鉛の円盤を載せ28kVpの入射エネルギーで散乱線除去率を計算した。その結果、女性の平均乳房厚である4cmではNo-grid systemでは約32%、Parallel grid systemでは10%、Novel systemでは7%の散乱線含有率を示し、他のアクリル厚(2、6cm)でもNo-grid system、Parallel grid system、Novel systemの散乱線除去率の傾向は同等な性能を示した。したがって、新しく提案された構造の散乱線除去率が優れたことが確認された。
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