研究課題/領域番号 |
19K17243
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岩渕 雄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (90573262)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | DAT SPECT / 核医学 / 機械学習 / パーキンソン病 / パーキンソン症候群 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はDAT SPECTの新たな定量化方法を考案、検討し、従来の測定法と比較してより診断精度の高い方法を求めることである。 新たな定量値としてはフラクタル解析で得られるフラクタル次元(FD、Fractal Dimension)の有用性を以前報告し、さらに従来用いられている定量値であるSBR(Specific Binding Ratio)やAI(Asymmetry Index)とこのFDを機械学習(support vector machine)を利用して組み合わせて画像診断することで、検査の診断能がより向上することが確認できた。続いて従来用いられている定量値であるSBRに関して脳脊髄液マスク補正という手法が有用であることも検討を行った。 さらにDAT SPECTから得られる各種の定量値(SBR、PCR[putamen-to-caudate ratio]、AI)を的確に用いることでパーキンソン病や非定型パーキンソン症候群をより正確に鑑別することが可能かどうか、その診断体系の確立を目的とする研究を行った。実際にはこれらDAT SPECTの各定量値に加え、MIBGシンチから得られる定量値(H/M比、Washout Rate)を組み合わせることでこれらの疾患をより正確に鑑別できることを証明した。 さらに追加研究としてパーキンソン病やレビー小体型認知症におけるDAT SPECTの所見と脳血流シンチグラフィとの相関関係に関して現在研究、検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に関してはおおむね当初の予定通り順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究結果からDAT SPECTから得られる定量値のうち、特に形状や集積の変化を表わす定量値であるフラクタル次元(FD)やPCR(putamen-to-caudate ratio)が診断に有用であることが分かってきた。特にレビー小体病といわれるパーキンソン病やレビー小体型認知症の鑑別にこれらの定量値が役立つことがこれまでの我々の研究結果から推測される。 今年度はこの結果をさらに詳細に検討し、レビー小体病の病態生理、病理学的側面をこれらの定量値がどのように反映しているのかを調べてきたが、引き続きこの観点で研究を継続し、次年度に研究成果の報告を行っていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿費を予定していたが、論文の投稿が予定より延長しているため。
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