研究課題/領域番号 |
19K17247
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
田口 宗太郎 愛知医科大学, 医学部, 助教 (50620035)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / SPECT / 脳血流 |
研究実績の概要 |
Single photon emission computed tomography(SPECT;シンチグラフィー)の画像統計解析を用いた我々の予備的検討において、抗パーキンソン病(Parkinson's Disease: PD)薬による症候改善に連関して脳血流が変化する可能性が示唆されている。 この知見を基に、International Parkinson and Movement Disorder Society (MDS)の診断基準を満たすPD患者を対象に99mTc-ECDを投与して脳血流SPECTを撮影、併せてパーキンソン症候を評価した。得られたSPECTデータは、SPM2、eZIS、vbSEEなどの画像解析ソフトウェアを用いて網羅的かつ詳細に解析。一方、パーキンソン症候についてはMDS- Unified Parkinson's Disease Rating Scale(MDS-UPDRS)を用いて客観的に評価した。症候と脳血流の変化およびその両者の相関性について検討しているところである。 これにより、我が国で汎用されているSPECTによる簡便で新たな抗PD薬効評価システムの確立を狙うのみならず、その過程で得られた脳血流変化の連関トポロジーがPD病態の解明につながる新たな知見をもたらすことをも期待するものである。 本年度、研究費は主として消耗品費に利用した。具体的には、個人情報保護等の観点から本研究専用に用いる統計解析用コンピューター、解析ソフトウェアおよび関連する品目である。世界的なコロナウイルス感染症の影響をうけ、国際学会での発表は中止に追い込まれ、近接領域研究者との議論も果たすことができなかった。これにともない旅費は支出されていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
世界的なコロナウイルス感染症(COVID-19)の影響をうけ、国際学会での発表は中止に追い込まれ、近接領域研究者との議論も果たすことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き臨床情報を収集しながら、得られたデータを解析する。その結果を日本神経学会やMDSなどで演題発表し、他の研究者からの批判を仰ぎ、研究方針や考察の修正を図りたい。次年度は、臨床情報の収集、統計解析、学会発表を行いながら研究の総括をおこないたい。抗PD薬効評価システムの確立を脳血流SPECTにおいて狙うことに実現性があるのか検証するほか、この検討過程で得られた脳血流変化の連関トポロジーについてPD病態の解明につながる新たな知見が得ることを期待したい。これら研究の成果は、学術雑誌に論文発表する予定である。論文発表にあたり、掲載料など諸経費が必要となる。 世界的なコロナウイルス感染症(COVID-19)の爆発的拡大により、所属施設は同症患者への対応を余儀なくされている。状況は流動的であるが、研究が円滑に推進できるよう方略を講じてゆきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
世界的なコロナウイルス感染症(COVID-19)の影響をうけ、国際学会での発表は中止に追い込まれ、近接領域研究者との議論も果たすことができなかった。本年度は順次学会も開催されることから使用計画も回復する見込みである。
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