パーキンソン病治療効果の客観的判定手段としての脳血流SPECT検査の有用性

2023 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19K17247
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分52040:放射線科学関連
• 研究機関: 愛知医科大学
• 研究代表者: 田口 宗太郎 愛知医科大学, 医学部, 助教 (50620035)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: パーキンソン病 / 脳血流 / SPECT

研究成果の概要

Single photon emission computed tomography(SPECT）の画像統計解析を用いて、抗パーキンソン病（PD）薬がもたらすPD運動症候改善に連関する局所脳血流変化を同定することを目的に研究をおこなった。抗PD薬による黒質(SN)・外側膝状体(LG)・内側膝状体(MG)血流増加の程度は運動症候改善の程度と相関、うちSN・LG血流反応性は認知症に影響されるがMGの場合認知機能によらず安定した反応を示した。これら結果は、PDの運動症候改善に連関した局所脳血流変化を示す領域がPD進行の客観的な臨床指標となり得る可能性を示唆した。

自由記述の分野

神経内科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では、パーキンソン病(PD)の運動症候改善に連関した局所脳血流変化を示す領域がPD進行の客観的な臨床指標となり得る可能性を示唆されたほか、我が国で汎用されているSPECTによる簡便で新たな抗PD薬効評価システムの確立につながる一定の成果が得られたものと考える。また、脳血流変化の連関トポロジーを示すことでPD病態の解明につながる新たな知見をもたらしたものとも考えた。