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2021 年度 実施状況報告書

MRリニアックにおける新たな吸収線量計測法の開発と国際線量標準の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K17273
研究機関熊本大学

研究代表者

大野 剛  熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 助教 (20646971)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード蛍光ガラス線量計 / MRリニアック / モンテカルロシミュレーション / Electron Return Effect / Electron Focusing effect / 不均質領域 / MR造影剤
研究実績の概要

今年度もモンテカルロ計算によるシミュレーション実験を先行させ,不均質における蛍光ガラス線量計の感度変化を明らかにした.
低密度においては,水中に比べ,垂直静磁場でのElectron Return Effectによる蛍光ガラス線量計の感度変化が大きくなった.また静磁場下における肺腫瘍に対する放射線治療計画では,治療計画に使用するCT画像の呼吸位相による線量差が大きくなった.そのため,線量検証においては,線量計の感度変化とともに,治療計画に使用するCT画像の呼吸位相に注意を払う必要がある.一方,平行静磁場下ではElectron Focusing effectによる蛍光ガラス線量計の感度変化が見られたが,Electron Return Effectによる感度変化に比べ,変化は小さくなった.また平行静磁場下では,治療計画に使用するCT画像の呼吸位相による線量差も,垂直静磁場に比べ小さくなり,通常のリニアックと同様の線量検証が可能であることが示唆された.
またMRリニアックにおいて使用が予測されるMR造影剤の線量影響は非常に小さくなった.しかし,肺や骨など水と大きく組成が異なる領域の境界では線量影響が大きくなった.これは,造影剤の金属成分から発生した散乱電子の影響と考えられる.そのため,造影MRを利用した放射線治療の線量検証においても,肺や骨などの境界領域では,事前の線量検証が必要であることが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Covid-19による計画の変更を強いられたが,シミュレーション実験を先行させることで,新たな結果が得られ,計画全体としては概ね順調に進呈している.

今後の研究の推進方策

今後もCovid-19により実証実験が難しい状況が続くことが考えられるが,シミュレーション実験を先行して行うことで,新たな基礎データを集めるとともに,さらなる発展を目指す.

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた旅費が,Covid-19により中止となり,物品費に当てたが,残額を生じた.シミュレーション実験を先行して行うためのPCの追加購入や論文投稿に伴う英文構成等を検討している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Monte Carlo study of dosimetric impact of gadolinium contrast medium in transverse field MR-Linac system2021

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Ohno, Takahiro Kubota, Masayuki Yano, Yasuhiro Fujiwara, Fujio Araki
    • 雑誌名

      Physica Medica

      巻: 86 ページ: 19-30

    • DOI

      10.1016/j.ejmp.2021.05.020.

    • 査読あり
  • [学会発表] Impact of different computed tomography datasets on VMAT dose calculations for lung tumor in magnetic fields2021

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Ohno, Fujio Araki, Chihiro Nakatake, Ryuuki Tanabe, Naoki Anami, Kazuki Komatsu
    • 学会等名
      The 121th Scientific Meeting of the Japan Society of Medical Physics

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公開日: 2022-12-28  

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