研究課題
本研究では二層検出器CTを用いたDual-energy Imagingを応用して、腎機能障害患者における造影剤減量撮影プロトコルの実用化と標準化を目的とする。臨床診療において高度腎機能障害患者に対する造影剤減量の必要性は高く、Dual-energy Imagingによる仮想単色X線画像を造影剤減量に利用した場合は、従来の低管電圧撮影と比較して多くの利点が予想され、本研究の臨床的貢献度は高いと考える。2022年度の研究内容としては、仮想単色X線によるヨード造影剤の造影効果の定量および造影CTにおける画質向上の程度に関して、臨床症例に応用しうる十分な診断精度が得られる撮影条件および再構成条件について2021年度に引き続き検証した。続いて造影剤の最適な仮想単色X線画像の条件(最適なkeV設定)を検証し、造影剤投与法と最適仮想単色X線画像との整合性を確認した。また、最適化した低造影剤量プロトコルを腎機能障害患者に適用し、画質や診断能が担保されているかを2021年度に引き続き検証した。 さらに、従来の低管電圧撮影による造影剤減量プロトコルで撮影された画像でのX線被ばくや造影剤量、画質、診断能などを比較した。研究機関全体を通じては、ファントムを用いた二層検出器CTによる造影剤減量プロトコルの最適化を検討し、また臨床例において仮想単色X線画像による造影剤減量プロトコルの妥当性を検討した。さらに造影剤減量の副次効果として、血管外漏出の予防プロトコルに関しても検討を行った。
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Academic Radiology
巻: 30 ページ: 431~440
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