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2021 年度 実施状況報告書

特定部位へのDSB誘導系を用いた染色体転座優先機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K17275
研究機関長崎大学

研究代表者

阿部 悠  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (00722472)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード染色体異常 / DNA二本鎖切断誘導 / 自然発生頻度
研究実績の概要

Dox誘導CRISPR/Cas9システムによるDSB誘導細胞株の再作成については、DSB誘導時に発現するよう設計していた蛍光タンパクが低シグナルのため、再導入中である。DSBの誘導は以前の物よりも効率よく誘導できていることを確認した。また、染色体異常頻度に影響を及ぼす分子のスクリーニングのため、培養細胞株を用いて染色体構造の形成に影響を及ぼす分子の探索実験を行った。主に分裂期に機能するキナーゼの内、染色体構造の構成に関わる報告があるものをリストアップし、阻害剤処理にて影響確認を行った。現在までに約10種類のキナーゼについて確認を進めており、CK2など一部のキナーゼで若干の変化が認められている。
また、日本人における染色体異常頻度の自然形成率を明らかにするため、20代健常者、70名以上の協力を得て採取した末梢血リンパ球の分析は順調に進んでいる。世界的な染色体異常頻度の自然形成率について報告した論文と照らし合わせても、現時点の分析結果では大きな違いは認められていない。全ての検体は細胞固定済みであり、随時標本作製および染色、観察を進めている。現在までに転座解析において40名弱分の自然形成率の分析が完了しており、3分の2程度の進捗状況である。一方で、放射線個人感受性の探索のため進めているX線照射検体(0.2, 1 Gy)に関しては、現在7名分の画像分析が完了している。今後は研究開始時に回収したアンケート結果と照らし合わせて、年齢や性別、居住地域、過去の医療被ばく (健診以外の検査由来) などの細かなグルーピングを行い、各因子による染色体異常頻度への影響度についても確認を進めていく。現時点の進捗 (約5分の2) では、染色体異常頻度に影響を及ぼす変動因子の確認はできていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新規実験室の整備等のため、DSB誘導モデル細胞株の実験系に遅れが生じている。
染色体異常の画像分析に関しては、多少の遅れは認められるが、昨年度の遅れは取り戻しつつある。

今後の研究の推進方策

染色体異常形成メカニズム解明のため、DSB誘導モデル細胞株の再構築を急ぎ進める予定である。画像分析に関しては、残りの検体の分析を進めつつ、交絡因子による影響解析を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

新規実験室整備のため、実験系の構築に遅れが生じたことにより、本来計画していた物品の購入が出来ず、残金が生じた。本研究費は次年度の分子生物学的実験に必要な細胞培養試薬や消耗品の購入に使用する予定である。また、本研究の根幹となるDSB誘導モデルの再構築に関する研究打ち合わせのための旅費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Investigation of background value of chromosome aberrations and individual radiosensitivity in Japanese2021

    • 著者名/発表者名
      Yu Abe, Misaki Takahashi, Naohiro Tsuyama, Kenichi Kudo, Yusuke Azami, Miwa Fukami, Kenji Kamiya, Akira Sakai.
    • 学会等名
      第64回日本放射線影響学会
  • [学会発表] バイオドシメトリーで見る放射線の生物影響2021

    • 著者名/発表者名
      阿部 悠
    • 学会等名
      第49回日本放射線技術学会秋季学術大会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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