脂質ラジカルは、脂質過酸化によって生成する反応性の高い化学種であり、脂質などを連鎖的に酸化し本来の機能を喪失させることから、動脈硬化やがんなど様々な疾患に関与すると考えられている。これまで、細胞や組織で生じた脂質ラジカルを蛍光で捉えるプローブは開発されていたが、生体レベルで非侵襲的にそれを捉えるプローブはなかった。本研究では、高感度に画像化が可能な核医学イメージングに着目し、生体内で生じた脂質ラジカルを捉える薬剤を開発することに成功した。生物個体の中で生成する脂質ラジカルの時空間的情報を得ることで、酸化ストレス疾患における脂質過酸化の寄与や機能の解明につながるものと期待される。
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