研究課題/領域番号 |
19K17285
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
大平 新吾 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 放射線腫瘍科技師 (50792694)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Dual-energy CT / 四次元 / 放射線治療 / 肝臓癌 / 膵臓癌 |
研究実績の概要 |
膵臓癌・肝臓癌はわが国におけるがんによる死亡者数のそれぞれ第4位、第5位の難治性 癌であり、膵臓癌・肝臓癌は5年生存率それぞれ約7%、約36%の難治性癌である。近年の高精度放射線治療により腫瘍への線量増加・正常組織への線量低減が可能だが、腫瘍の正確な体内動態の把握がなければ、予期しない有害事象が発生する可能性がある。 膵臓癌・肝臓癌の最適な撮影時相は腫瘍の特性によって異なる。早期相・後期相の両時 相における造影剤併用4次元撮影を可能とする技術を開発を目的とする。我々は腫瘍の呼吸性移動量・存在位置を正確に評価するために、Dual-energy CTを用いた造影剤併用4次元撮影(contrast-enhanced four-dimensional DECT, CE-4D-DECT)を世界で初めて開発した。 本研究は早期・後期の2時相(Dual phase, DP)において4D-DECT撮影(DP-4D-DECT)を可能にする技術開発を行った。呼吸波形データを動体ファントムに入力し、ファントムを呼吸性移動させ、DECT装置を用いてシネ撮影した。記録した呼吸波形を、DECT画像のDICOMヘッダに記録される各時相(早期・後期)の撮影時間をもとに、呼吸波形データを2つの時相に分割した。さらに、呼吸波形を10相(最呼気から最吸気まで)に分割し、各時相のDECTデータに割り当てる。結果として、早期相と後期相のDP-4D-DECT作成が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で早期・後期の2時相(Dual phase, DP)において4D-DECT撮影(DP-4D-DECT)を可能にする技術開発を行った。呼吸波形データを動体ファントムに入力し、ファントムを呼吸性移動させ、DECT装置を用いてシネ撮影した。記録した呼吸波形を、DECT画像のDICOMヘッダに記録される各時相(早期・後期)の撮影時間をもとに、呼吸波形データを2つの時相に分割した。さらに、呼吸波形を10相(最呼気から最吸気まで)に分割し、各時相のDECTデータに割り当てる。結果として、早期相と後期相のDP-4D-DECT作成が可能となった。基礎検討は完了したため、本研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
DP-CE-4D-DECTの撮影タイミングは造影剤注入開始から35秒(早期相)、80秒(後期相)後に設定する。撮影したデータから仮想単色X線画像を再構成し、40-140 keVにおいてスペクトラル解析を行い、Contrast to noise ratio (CNR)が最も高いエネルギーを早期・後期相それぞれにおける物理的至適画像と決定する。 本研究で得られた成果をもとに、治療成績の向上・有害事象の低減を目指す。また、正常肝臓組織への線量は高精度放射線治療によって、極限まで低減する。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿をオンラインジャーナルでない学術雑誌に投稿したため差額が生じた。本年度はオンラインジャーナルに投稿費用に研究費を使用する予定である。
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