研究課題/領域番号 |
19K17287
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
島 彦仁 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (20822878)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 網羅的遺伝子解析 |
研究実績の概要 |
本研究において、2019年については、本学倫理委員会において承認された計画書(成長障害における遺伝的要因の探索、東北大学大学院 医学系研究科倫理委員会 2019-1-016号)にそって患者コホートの構築、遺伝子解析を進めた。 患者コホートの構築においては、数十名の基準を満たす患者を抽出した。順次、各患者に対して研究について説明を行い、両親及び患者本人のインフォームドコンセント又はアセントを取得した患者からは患者のスケジュールされた治療のために必要な血液検査のタイミングで遺伝子検査用の血液の提供を受けた。遺伝子解析を行う研究計画であることから研究参加にあたっては両親などで十分に検討を頂くように説明している。 遺伝子解析については、上記で提供をうけた検体を順次全エクソームシークエンスを行った。2019年度内にwet解析は数名の患者で終了した。これらのうち、1名の患者で短指症の原因遺伝子の一つで病的意義が強く疑われる遺伝子変化を同定しており、患者家族検体の解析などを通じて、その病的意義を明らかにするべく解析を進めている。なお、wet解析の終了したデータをより効率的かつ正確に遺伝子変化を同定することを目的に、東北大学メディカルメガバンクの管理するスーパーコンピューターを活用し、従来我々がもちいてきたパイプラインを改良する研究を進めている。 現在、上記の2つの取り組みを進め、低身長の新規責任遺伝子の探索を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度については研究計画にそっておおむね順調に進んでいる。 なお、SARS-CoV-2の流行に伴う緊急事態宣言が発令されたことに伴い、急変の可能性が低い低身長患者の受診が延期されていることから、患者コホートの構築に支障がでている。今後の状況次第にあっては、2020年度の研究の遂行には大幅な遅れがでる可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
現在対象の患者に対して研究計画を順次説明しており、今後研究に参加頂ける方から検体を頂き検査を進める予定である。また、全エクソームシークエンスデータの解析パイプラインは本研究のみならず、将来の同様の研究においても活用できるものであることから、2020年度上半期内の完成を目指す。 併せて、現在同定している遺伝子の病的意義の同定を進め、本遺伝子変異については本年度中の文献報告を目指す。 研究計画全体の成果は、研究終了年度中の文献報告を目指し準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画のうち、全エクソーム解析については、他の研究計画との共同研究とすることによりより安価に解析が可能であったため、研究費有効活用の観点から、当該研究計画の資金により解析を行った。残額については2020年度に繰り越し、本研究計画の遂行のために使用する予定である。また、旅費については、別途所属機関の出張旅費の支出範囲内で出張可能であったことから、研究費有効活用の観点から、当該の資金により支出を行った。残額については2020年度に繰り越し、本研究計画の遂行のために使用する予定である。
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