本研究において、2021年については、本学倫理委員会において承認された計画書(成長障害における遺伝的要因の探索、東北大学大学院 医学系研究科倫理委員会 2019-1-016号)にそって患者コホートの構築、遺伝子解析を進めた。 患者コホートの構築においては、昨年度に引き続き基準を満たす患者を抽出した。順次、各患者に対して研究について説明を行い、両親及び患者本人のインフォームドコンセント又はアセントを取得した患者からは患者のスケジュールされた治療のために必要な血液検査のタイミングで遺伝子検査用の血液の提供を受けた。遺伝子解析を行う研究計画であることから研究参加にあたっては両親などで十分に検討を頂くように説明している。 遺伝子解析については、上記で提供をうけた検体を順次全エクソームシークエンスを行った。2021年度まで約20名の患者から研究参加に同意いただき、うち約半数の患者でwet解析はを終了した。なお、wet解析の終了したデータをより効率的かつ正確に遺伝子変化を同定することを目的に、東北大学メディカルメガバンクの管理するスーパーコンピューターを活用し、パイプラインを改良している。 なお、SARS-CoV-2の流行に伴い、低身長患者の受診が抑制された影響のため、本研究立案時点よりも低身長患者の受診が大きく減少しており、患者コホートの構築に大きな影響が出ている。 現在、上記の2つの取り組みを進め、低身長の新規責任遺伝子の探索を進めているところである。
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