前年度に継続して、基準を満たす患者を抽出し、順次、各患者に対して研究について説明を行い、両親及び患者本人のインフォームドコンセント又はアセントを取得した患者からは患者のスケジュールされた治療のために必要な血液検査のタイミングで遺伝子検査用の血液の提供を受けた。遺伝子解析を行う研究計画であることから研究参加にあたっては両親などで十分に検討を頂くように説明を行った。 遺伝子解析については、35名の参加者に対し、MLPAによる解析を行い、1例でSHOXの半量不全を同定した。SHOXの半量不全を同定した症例については、MLPA法と保険収載のaCGH法との検査法の比較を行い、検査正確性などの観点から検討を行い、2024年度の学会報告の準備を行っている。また、35症例のWGSのwet解析を行い、dry解析を実施した。これらにより、欠失の遺伝学的な構成要因の探索を実施し、一部dry解析進行中の検体と合わせ文献報告の準備中である。また、一部の患者については、aCGH法による検討を追加し、2症例で病的意義のある染色体微細欠失を同定した。これらの患者ではMLPAで同定された、SNPによる1プローブのlog ratioの低下と合わせて文献報告を準備中であるが、関連しうる諸症状について各専門医による詳細な臨床症状の評価を依頼中であり、結果判明後に文献報告を行う予定である。また、1例においては、病的意義のある複数の欠失が同時に同定されていることからそれらの遺伝学的なメカニズムを検討し、文献報告予定である。
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