研究実績の概要 |
1 ヒト PAH類似ラットモデルの作成。ラットにSugen 5416 (20mg/kg,1回皮下注)(Sigma)を投与後、1/2気圧( 380 mmHg,10%酸素)21日間の低酸素暴露刺激を加える。評価病日で心カテ、組織採取を行う。2 CRISPR/Cas9システムを用いた遺伝子改変ラットの作成。BMPR2 欠損ラット(+/-)は、大阪大学動物実験施設で研究協力者真下知士博士により作成され、既に三重大学動物実験施設で飼育されている。3 肺高血圧の評価。評価日に小動物用心エコー検査装置を用いて左室変形、肺動脈ドップラーを評価し、内頸静脈からの心臓カテーテル検査により右室圧、大動脈圧を測定する。右室肥大を重量比により評価する。(上記、PLoS One 2015, Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 2015)。4 組織の分子生物学的、免疫組織学的評価。評価後、気管切開、小動物用人工呼吸器を用いて人工呼吸下で開胸し、肺凍結サンプル、還流固定肺を作成する。 肺組織の定量的評価、免疫組織学的評価(DAB染色、共焦点レーザー顕微鏡を用いた評価)、分子生物学的評価 (real time RT PCR、Immu noblot等)を行う。5 血管平滑筋培養と増殖能、細胞死の判定、肺動脈中枢部、分枝部を実体顕微鏡下で採取し、内膜、外膜を除 去、1mm3の小切片を作成。D-MEM/F12、10%ウシ血清下で培養し(備品のCO2 Incubator)、2-5継代の培養細胞を準備する。PDGF刺激による増殖性を既報のCCK8アッセイ、血清除去による細胞死をWestern blot (cleaved caspase 3,cleaved PARP)で評価する。6網羅的発現解析、DNAメチル化解析(研究協力者: 三谷義英、澤田博文、西村有平)。抽出RNAのマイクロアレイ解析(Agilent Technologies, SurePrint G3 Rat 8x60k)、Pathway Studio 7 (Ariadne Genomics, Rockville, USA)による pathway解析と抽出DNAの網羅的DNA methylation assay (AKESOgen社)を行う。
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