研究課題/領域番号 |
19K17299
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
平出 智裕 島根大学, 医学部, 特別協力研究員 (40638540)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 基質拡張型β-ラクタマーゼ産生大腸菌 / 薬剤耐性菌 / 母子感染 / 院内感染 / 家庭内感染 |
研究成果の概要 |
乳幼児への基質拡張型β-ラクタマーゼ産生大腸菌(ESBL-E)感染ルートは明らかになっていない。今回、新生児へのESBL-E感染ルートを明らかにする。 この前向き横断研究では、新生児の便培養 2回(生後4日目と1か月健診)と母親の膣培養を比較検討した。新生児 631例と母親 629例を対象とし、ESBL-Eは新生児 31例(4.9%)、母親 25例(4.0%)から検出された。新生児へのESBL-E感染ルートは、32%が母親からの垂直感染、45%が院内感染、23%が家庭内感染であった。 新生児へのESBL-E感染ルートは、母子感染以外に、院内感染や家庭内感染も重要な感染ルートとなりうる。
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自由記述の分野 |
小児感染症
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薬剤耐性菌の増加は世界中で問題となっている。特に基質拡張型β-ラクタマーゼ産生大腸菌(ESBL-E)は、小児において尿路感染症や髄膜炎などの重要な原因菌となっている。これまで乳幼児へのESBL-E感染ルートは明らかになっておらず、主な感染ルートとして母子感染が示唆された。 今回の研究では、新生児期に既に多くのESBL-E感染を認め、母子感染は重要な感染ルートであった。しかし、院内感染や家庭内感染も重要な感染ルートであった。 そのため、新生児へのESBL-E感染を抑制するために、ESBL-Eを保菌する母親への指導、院内感染対策の強化、手指衛生など家庭内での感染対策の強化が重要となる。
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