壊死性腸炎は特に早産児に発症する予後不良な腹部救急疾患である。アドレノメデュリンはヒト副腎褐色細胞腫組織から発見された強力な血管拡張作用、抗炎症活性を有する生理活性ペプチドである。壊死性腸炎ラットモデルを用いてアドレノメデュリンの壊死性腸炎に対する予防効果を検討した。生食投与群、アドレノメデュリン低用量投与群、アドレノメデュリン高用量投与群において腸管を材料に検討した。アドレノメデュリン投与群は腸管組織障害を改善する傾向を認めた。生存率に差は認めなかった。これらの結果は、NECに対する治療としてアドレノメデュリンの潜在的可能性を示しているが、適正な投与量などの更なる検討が必要と考えられた。
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