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2021 年度 実績報告書

溶血性尿毒症症候群発症後の硬化性腎病変進展への危険因子とその制御システム解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K17305
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

久米 庸平  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20835988)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード溶血性尿毒症症候群 / 志賀毒素 / リポポリサッカライド / 尿細管
研究実績の概要

令和2年度までの研究においてLPS/Stx2を投与したマウスの6ヶ月後の腎組織所見においてコントロールマウスと比較し、糸球体に明らかな差異が得られなかった。腎臓の慢性期の影響は、急性期の腎障害の影響を強く受け生じるため、このモデルマウスにおいて急性期にどのような変化が生じるかを詳細に検討するため、生理食塩水を投与したマウスをコントロールとしてLPS/Stx2投与6時間後と72時間後のマウス腎臓に対してmicroarrayを施行し、分子学的な評価を行った。microarrayでは投与後6時間と72時間でそれぞれ1212個および1016個の異なる遺伝子発現変化が同定された。LPS/Stx2投与後72時間で遠位ネフロンに発現するトランスポーターや膜タンパク質に関連した遺伝子発現が強く低下した。特に、遠位尿細管 (distal convoluted tubule: DCT)2/結合尿細管 (connecting tubule: CNT)および皮質集合管 (cortical collecting duct: CCD) の主細胞に関連する遺伝子の発現が強く低下していた。さらにStx受容体であるglobotriaosylceramide 3 (Gb3) の局在を確認するために二重蛍光免疫染色を施行したところ、発現低下した遺伝子が存在するセグメントと一致する傾向があった。以上の結果からLPS/Stx2を投与したHUS様モデルマウスにおいてDCT2/CNTとCCDの主細胞へ強い障害を起こすことが明らかになった。これまでLPS/Stx2による遠位尿細管・集合管障害に関する研究はほとんどなく、慢性期についても検討されたものはない。投与後6ヶ月だけではなく、1ヶ月、3ヶ月を含め慢性期の尿細管がどのように変化するかを検討することでHUS慢性腎不全のメカニズムをさらに解明できる可能性がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Gene expression profile and injury sites in mice treated with Shiga toxin 2 and lipopolysaccharide as a Shiga toxin-associated hemolytic uremic syndrome model2022

    • 著者名/発表者名
      Kume Yohei、Go Hayato、Maeda Ryo、Suyama Kazuhide、Mori Tsutomu、Kawasaki Yukihiko、Hashimoto Koichi、Hosoya Mitsuaki
    • 雑誌名

      Physiological Genomics

      巻: 54 ページ: 153~165

    • DOI

      10.1152/physiolgenomics.00124.2021

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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