本研究では、脊髄髄膜瘤や腹壁破裂といった胎児の体表が欠損し臓器障害を引き起こす疾患に対する治療法を開発するために、ヒト羊水中の細胞から樹立したiPS細胞に着目した。人工皮膚を移植する技術を確立するため、羊水由来iPS細胞を用いて表皮を構成する細胞であるケラチノサイトに分化誘導した。iPS細胞から分化誘導した細胞は、培養過程でケラチノサイトと形態の異なる細胞も増殖する。より機能的なケラチノサイトを維持するために、培養方法を改良した。このケラチノサイトを3次元培養することで積層化した人工皮膚を作製し、表皮特有の層構造を確認した。
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