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2021 年度 実績報告書

小児急性骨髄性白血病の分子病態と発症年齢に基づく新たなリスク層別化治療の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K17322
研究機関群馬大学

研究代表者

原 勇介  群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (20806434)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード小児急性骨髄性白血病 / リスク層別化治療
研究実績の概要

日本小児白血病リンパ腫研究グループAML-05研究の369例の臨床情報および臨床検体を使用し、遺伝子解析、予後解析、及び臨床情報の解析を行った。次世代シークエンサーによる網羅的遺伝子解析については、130例の臨床検体を用いて343癌関連遺伝子のパネルシークエンス解析を行い、128例の臨床検体を用いてRNAシークエンスによる融合遺伝子および遺伝子発現解析を行った。その他、サンガーシークエンス 、MLPA法、定量PCRによる遺伝子発現解析等を行った。
年長児においてはこれまで報告のある遺伝子異常に加え、低頻度ではあるがTP53遺伝子やRB1遺伝子の遺伝子変異やコピー数異常が、既知の遺伝子異常の検出されない予後不良な症例において同定され、重要な発症要因となる可能性があることが示唆された。またこれらの症例はSLC2A5やCD300F等これまで十分な報告のない遺伝子発現異常に強く関連することも判明し、新たな治療標的候補として今後解析が必要であると思われた。
乳幼児においては既知の融合遺伝子の予後への影響が極めて大きかった。しかし全年齢で広く検出されるinv(16)(p13q22)/CBFB-MYH11は乳幼児では年長児に比べて再発率が極めて高く、一方で11q23転座/MLL遺伝子再構成は年長児の方が有意に再発率が高いことが判明した。CBFB-MYH11陽性例についてはNRAS遺伝子異常が年長児に併存する確率が高いことから、NRAS遺伝子異常は予後良好なタイプの白血病発症に関連していることが推察された。しかしMLL遺伝子再構成については有意な遺伝子異常を同定できず、今後の更なる解析が必要である。
以上の結果から、年齢を考慮したリスク層別化治療の構築は治療成績向上に寄与すると思われた。本研究で得た解析結果を他の臨床検体や臨床データを用いて再解析し、その再現性を検討することが今後必要である。

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公開日: 2022-12-28  

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