研究課題/領域番号 |
19K17333
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
高橋 知男 島根大学, 医学部, 特別協力研究員 (10624934)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 低ホスファターゼ症 |
研究実績の概要 |
低ホスファターゼ症(Hypophosphatasia, HPP)は、TNSALP遺伝子変異によって、骨の石灰化障害をきたす疾患で、重症例は致死的な経過をとる。酵素補充療法の開始により骨の石灰化の回復を認め一定の効果がみられているが、正常な骨構造に達しない。本研究では、HPP患者由来の間葉系幹細胞および骨芽細胞を用いて、網羅的遺伝子発現解析から幹細胞の機能や骨分化に関わる分子メカニズムを明らかにして、幹細胞の維持および骨分化の回復を促進する小分子化合物を探索することが目的である。本研究の成果により同定された小分子化合物は、HPPに対する根治療法の開発へつながるだけでなく、健常人が加齢により生じる骨粗鬆症に対する治療へも応用できる可能性が高い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の対応を行う必要があったこと、また、新型コロナウイルス感染症の影響で試薬の入手が困難になったこと
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今後の研究の推進方策 |
HPP由来MSCやOstはstemnessや骨分化が低下しているため、候補遺伝子をノックダウンあるいは強制発現して、stemnessおよび骨分化の機能が回復することを検討する。具体的な方法として、stemnessはコロニー形成能、増殖能、遺伝子発現で、骨分化はMSCを骨分化誘導培地(Dex+ViC+β-GP)で培養後、免疫染色、ALP活性、遺伝子発現および石灰化能で評価する。また、生体内での効果を示すために、HPPモデルマウス(当該研究室で飼育中)にウイルスベクターに搭載した候補遺伝子を投与して、骨の石灰化の回復や生存率の改善を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス 感染症の影響で試薬が届かなかったため。 その試薬が未到着な部分を今年度に行う。
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