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2020 年度 実施状況報告書

うっ血性肝硬変に対する再生医療としての間葉系幹細胞移植療法

研究課題

研究課題/領域番号 19K17334
研究機関岡山大学

研究代表者

平井 健太  岡山大学, 大学病院, 医員 (50814224)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード細胞移植 / 肝硬変 / うっ血 / フォンタン / 間葉系幹細胞 / 再生医療
研究実績の概要

本研究では、うっ血性肝硬変モデルマウスを用いて、間葉系幹細胞(MSC)移植の治療効果検証を行い、うっ血性肝硬変に対する再生医療の可能性を見出すことを目的とする。
2020年度は、うっ血性肝硬変モデルマウスの肝臓組織からmRNAを抽出し、RT-PCRを行うことで、治療評価に有用な炎症マーカー、線維化マーカーの検索を行った。このうち、肝臓で産生される血漿タンパクであるHistidine-rich glycoprotein(HRG)の発現が、偽手術群と比較してうっ血性肝硬変モデルマウスにおいて著明に低下していることを見出した。HRGに関しては、今後MSC移植群とコントロール群において肝臓内mRNAに発現変化があるかを評価するとともに、血漿中の濃度測定も行うことで、うっ血性肝硬変の進行マーカーとして利用できるかについても検討を行う。また、うっ血性肝硬変マウスに対して1×106個のMSC単回移植を実施したが、コントロール群と比較して、肝臓病理組織において明らかな線維化領域の縮小効果を認めなかった。治療効果を示すにはさらに細胞数が必要である可能性があり、来年度は1回に移植する細胞数を増やすとともに、MSCの複数回移植についても検討を行う予定としている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

うっ血性肝硬変モデルマウスに対するMSC移植を実施し評価を進めているが、現時点で有意な治療効果を示す条件設定に至っていないため。

今後の研究の推進方策

うっ血性肝硬変モデルマウスに対するMSC移植の1回細胞数を増やし、また複数回移植を行うことで、肝臓線維化領域の縮小が得られるかにつき評価する。また血漿タンパクHRGがうっ血性肝硬変モデルマウスの肝臓において発現低下していることを見出したが、HRG発現がMSC移植により改善するかについても検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

現時点でうっ血性肝硬変モデルマウスに対するMSC移植の治療効果を認める条件設定ができておらず、MSC移植の治療効果を確認後に予定していたうっ血性肝硬変モデルマウスに対するMSC由来エクソソームの投与実験が実施できなかった。次年度はMSC移植の1回細胞数を増やし、複数回移植を実施して肝臓病理組織評価を行うとともに、肝臓組織内のHRGの発現度がMSC移植により変化するかにつき評価予定であり、MSC移植の有効性が確認できればMSC由来エクソソームの投与実験にも予算を使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Outcomes of right ventricular outflow tract reconstruction in children: Retrospective comparison between Bovine jugular vein and expanded Polytetrafluoroethylene conduits.2021

    • 著者名/発表者名
      Hirai K, Baba K, Goto T, Ousaka D, Kondo M, Eitoku T, Kotani Y, Kasahara S, Ohtsuki S, Tsukahara H.
    • 雑誌名

      Pediatric Cardiology

      巻: 42 ページ: 100-108

    • DOI

      10.1007/s00246-020-02458-0

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cardiosphere-derived exosomal microRNAs for myocardial repair in pediatric dilated cardiomyopathy.2020

    • 著者名/発表者名
      Hirai K, Ousaka D, Fukushima Y, Kondo M, Eitoku T, Shigemitsu Y, Hara M, Baba K, Iwasaki T, Kasahara S, Ohtsuki S, Oh H.
    • 雑誌名

      Science Translational Medicine

      巻: 12 ページ: -

    • DOI

      10.1126/scitranslmed.abb3336

    • 査読あり
  • [学会発表] Cardiosphere-derived exosomal microRNAs for cardiac repair in pediatric dilated cardiomyopathy: preclinical and safety lead-in phase 1 clinical studies.2021

    • 著者名/発表者名
      平井健太
    • 学会等名
      第85 回日本循環器学会学術集会
  • [学会発表] Cardiosphere-derived exosomal microRNAs for cardiac repair in pediatric dilated cardiomyopathy: preclinical and safety lead-in phase 1 clinical studies.2020

    • 著者名/発表者名
      Hirai K
    • 学会等名
      European Society of Cardiology Congress 2020
    • 国際学会
  • [学会発表] Update of Regenerative Therapy for Pediatric Heart Failure2020

    • 著者名/発表者名
      平井健太
    • 学会等名
      第56回日本小児循環器学会学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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