うっ血性肝硬変は、フォンタン術後患者の長期合併症として回避できず、治療法は現時点で皆無である。本研究ではうっ血性肝硬変に対する再生医療として間葉系幹細胞の静脈投与を検討したが、有意な改善効果は得られなかった。一方、上記研究の過程で、うっ血性肝硬変モデルマウスの肝臓組織でHRGのmRNA発現が有意に低下していることを見出した。既存の肝線維化マーカーとしてはヒアルロン酸やⅣ型コラーゲン、P-Ⅲ-P、M2BPGiなどがあるが、フォンタン術後のうっ血性肝硬変に対する肝線維化の指標は確立されていない。今後の展望として、HRGが新規の肝線維化マーカーとして活用できるかについて検討していきたい。
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