過剰肋骨は発生毒性試験で胎児に観察される骨格所見であるが、その成因は不明である。以前見出した5FC投与によるホメオボックス(Hox)遺伝子発現変動を伴う過剰肋骨出現の機序を探るため培養細胞を用いた評価を行い、5FCによる骨格異常は細胞毒性に依らないHoxの直接制御であることを明らかにした。さらに自然発生の系統差に注目、高頻度のWistar系ラットと低頻度のSD系ラットをシーケンサーを用い比較検討、Hoxa9 exon1とその前方領域に差を認め、特にHox発現を制御し中軸形成に関与するmiRNAの成熟に不可欠な領域の過剰肋骨出現率と一致した変異を見出し、過剰肋骨の成因となる可能性が示唆された。
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