研究課題/領域番号 |
19K17343
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
中野 聡 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (70826453)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子宮内発育遅延 / 低出生体重児 / 低栄養 / 非アルコール性脂肪肝炎 / 胆汁酸再吸収阻害薬 |
研究実績の概要 |
血流障害による子宮内発育遅延(Intrauterine Growth Retardation: IUGR)仔体ラットの作製を行った。まず、IUGR環境を模倣するために妊娠後期に子宮動脈結紮し、人工的に子宮低血流とする方法で低出生体重児(Low Body Weight Infant: LBWI)の作成を試みたが、control群と比較して有意な体重差を得られなかった。次に妊娠17日目のラットを吸入麻酔下で開腹し、4 本の子宮動脈にアミロイドコンストリクター(水分吸収による徐々に内腔が狭窄するリング)を装着する方法でLBWIの作成を試みたが、仔体の出生体重にバラツキが生じたため、安定したLBWI児を得ることができなかった。 次に実験動物をラットからマウス(B57BL/6J)に変更し、カロリー制限食を投与するプロトコルでIUGR児作成を試みた。雄雌交配し自然妊娠成立後、低たんぱく食群(LP食)とコントロール食群(NP食)に分け出産まで各栄養食で食餌を与えた。母マウスの体重増加率(妊娠15日-妊娠0日)の平均はNP食(n=3):LP食(n=4)=9.7g:5.8gで平均出産数はNP食:LP食=6.3匹:3.6匹であった。出生日における仔マウスの体重はNP食(n=4):LP食(n=5)=1.52g:1.33gであった。以降の体重測定については出生後数日で死亡しており測定不能であった(NP食のうち1匹のみ現在も生存している)。よって、実験動物の作成に成功したため、今後は、母マウスへのストレスを軽減する工夫するなど子育て環境等の見直しや系統の変更を行い、IUGRマウスが順調に発育する環境を整えることに注力する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在までの進捗状況が遅れている理由は2つ挙げられる。 1つ目はモデル動物の作成に予定よりも時間を要したことである。 2つ目は新型コロナウイルスの影響で、当初予定していた実験計画が大幅に遅れたことである。
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今後の研究の推進方策 |
モデル動物の作成の目処がたってきたため、今後は、母マウスへのストレスを軽減する工夫するなど子育て環境等の見直しや系統の変更を行い、IUGRマウスが順調に発育する環境を整えることに注力する。また、コロナウイルスの影響は未だに大きいが、昨年と比較すると制限はあるものの実験を再開できているので、引き続き可能な限り迅速に実験計画を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
モデル動物の作成に時間を要したことと新型コロナウイルスの影響で実験計画が大幅に遅れたことから当初予定していた実験計画のうち未実施のものがあり、予定よりも少ない支出となった。差額は次年度に当初予定していた実験を履行することで消費するよていである。
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