研究課題
若手研究
本研究の目的は、ヒト早産児の血中の超微量一酸化炭素(CO)の定量測定法を開発すること、血中CO濃度とUGT1A1遺伝子変異が生後2週間以降に黄疸が増強する早産児を予測するかを明らかにすることであった。早産児血中の超微量COの定量測定法を開発した。しかしながら、その臨床応用には、COの揮発性をコントロールするための工夫が必要と考えられた。また、生後2週間以降に黄疸が増強する早産児の臨床予測因子として、母乳栄養およびUGT1A1遺伝子変異を同定した。
新生児医学
新生児黄疸の原因であるビリルビンは、神経毒性を有し、アテトーゼ型脳性麻痺や難聴を引き起こす(ビリルビン脳症)。生後2週間以降に黄疸が増強する早産児を未然に予測できれば、ビリルビン脳症の発症抑制に大きく寄与できるが、その予測方法がなかった。今回、その臨床予測因子として、母乳栄養およびUGT1A1遺伝子変異が明らかになった。出生直後にUGT1A1遺伝子変異の確認を行うというテーラーメード診断を行い、早期治療を行うことで、早産児のビリルビン脳症の発症を予防できる。