研究課題
若手研究
VLCAD欠損症の臨床的重症度は、従来の診断方法では予測することが困難であった。VLCAD欠損症患者と健常者それぞれから得た末梢血単核球での炭素13標識脂肪酸負荷検査で、患者群ではカルニチン比の有意な減少がみられた。各比率の値は臨床的重症度スコア(CSS)と有意な相関があり、疾患の重症度を予測できることが示唆された。さらにU-13C-ステアリン酸負荷試験において13C-C16/13C-C18比が13C-C14/13C-C18比より高い患者はCSSが有意に高くより重症であると推定された。
先天代謝異常疾患
本検査法がVLCAD欠損症の臨床的重症度を予測する上で有用であり、重症化リスクを有する患者の同定に使用できることが示唆された。また本測定結果をもとに、代謝発作リスクが低いと考えられる患者に対し、過剰な治療や生活制限を回避することで、より効率的な管理を行うことが期待される。