多段階発がん説に則って説明可能な疾患モデルを用いて、発がんを誘導する遺伝子変異獲得機序を解析した。 具体的な実験としては、disomy21(d21)とtrisomy21(t21)の多能性幹細胞ペアを用いて分化段階ごとに比較した。 その結果、 変異獲得及び、DNAダメージ修復機構が働く過程においては、初期造血前駆細胞 の分化段階まででは、d21とt21細胞間に有意な差は認められなかった。一方で細胞増殖能は、未分化な状態では有意差は認められなかったが、血液前駆細胞分画においてt21細胞で細胞周期が亢進している傾向が認められた。
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