研究課題/領域番号 |
19K17359
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷河 純平 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (40768636)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 先天性GPI欠損症 / 疾患登録システム / 患者レジストリ / REDCap / 血清バイオマーカー |
研究実績の概要 |
オンラインデータ集積管理システムREDCapにおいて、昨年度構築した疾患登録システムを引き続き運用している。新たに国内で診断がついた症例に関しても、把握できる範囲では主治医と連絡をとりデータ収集の協力を依頼した。新型コロナウイルス感染症の影響で様々な学会が中止やオンライン開催となるなど、新規に診断された症例についての情報収集が困難な状況であるが、現時点で国内において先天性GPI欠損症と診断がついた症例に関しては、ほとんど全ての症例を捕捉できていると思われる。そのうち患者7人に関しては、概ねデータ収集を終えている状況であり、他の症例に関しても情報収集を継続中である。 また、疾患バイオマーカーの探索に関しては、既に有用と考えていたバイオマーカーの候補以外にも、他のGPIアンカー型たんぱく質を文献や他疾患におけるバイオマーカーへの応用状況などを検討することにより、候補となり得るたんぱく質を複数同定した。これらのGPIアンカー型たんぱく質をELISA法を用いて、先天性GPI欠損症でない患者などから採取した血清で測定し、測定条件の検討などを行っている。これらと並行して、先天性GPI欠損症患者の各主治医への血清検体の提供の依頼を行った。また、先天性GPI欠損症でない疾患対照群の血清の採取も同意を得た上で継続して行っており、現時点で小児22例、成人12例で疾患対照群の血清を採取して、実験に用いることができるように冷凍保管している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
疾患登録に関しては、各主治医へデータの入力を依頼したが、なかなか情報収集がすすんでいない。バイオマーカー探索に関しては、すでに候補となるGPIアンカー型たんぱく質の絞り込みをおえ、既に対象疾患群の検体を用いた測定条件の検討に入っている。
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今後の研究の推進方策 |
すでに各主治医への依頼は行っているが、思うように情報が収集できていない。各主治医の協力を得やすくするために、入力を簡素化するなど各主治医へ負担をなくすように運用を見直し、再度主治医へ情報提供を依頼する。また、情報を収集するにあたり、特に診断に有用となる可能性がある頭部MRI画像所見、治療上問題となる、けいれん発作や、効果があった抗痙攣薬などを重点的に情報収集する。 バイオマーカーに関しては、疾患群で優位に上昇が認められるものが見つかれば、検査件数を増やし、感度、特異度を算出する。疾患群、疾患対照群の血清の収集も併せてすすめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響で国際学会や国内の学会の多くがオンライン開催、あるいは中止となり海外学会参加のための渡航ができなくなった。また、新型コロナ感染症に対応するため、当初の予定どおり実験や調査をすすめるのが困難であった。次年度以降で海外学会に参加できるようになれば、その費用にあて、血清バイオマーカーの候補たんぱく質の数を更に増やして実験を行うなどする予定である。
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