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2019 年度 実施状況報告書

神経芽腫のがん微小環境制御におけるEvi5の役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K17361
研究機関神戸大学

研究代表者

高藤 哲  神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (70816800)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードEvi5 / 神経芽腫 / 間葉系幹細胞
研究実績の概要

小児がん死亡の約15%を占める神経芽腫は、臨床的多様性によって特徴付けられ、Stage4
患者の50%以上が再発する一方で、Stage4S患者では転移があっても自然消退し得ることが知られている。Stage4S患者の分子病態は未だ不明な点が多いが、神経芽腫細胞とそれらを取り巻くがん微小環境との相互作用が深く関わることが予想される。これまでの多くの研究がStage4S患者におけるゲノム異常の同定を目指していたのに対して、本研究では、Stage4S患者の染色体転座部位から単離されたEvi5遺伝子の作用機構の解明を目指している。これまでに申請者らは、Evi5遺伝子に注目し、Evi5をノックダウンすると神経芽腫の進展が抑えられることを明らかにしてきた。また、Evi5はエンドソーム内に局在するRab11を不活化し、細胞膜とエンドソームの間のリサイクリングを制御すると考えられている。そこで、Evi5によって神経芽腫細胞からの分泌を制御される分子を同定し、Evi5による神経芽腫がん微小環境の制御機構を明らかにすることを、本研究で試みる。本年度は、Evi5をノックダウンおよび過剰発現した神経芽腫BE(2)-C細胞の培養上清を用いて、両者の間で発現量(分泌量)の異なる分子群の同定を試みた。また、Evi5のがん微小環境への影響をみる目的で、神経芽腫細胞とがん微小環境の主要な構成成分である間葉系幹細胞(MSC)を共培養し、それぞれの細胞増殖におよぼす効果を検討した。今後は、Evi5をノックダウンおよび過剰発現したBE(2)-C細胞とMSCの共培養を行い、神経芽腫細胞とMSCとの相互作用におけるEvi5の役割を明らかにしていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、Evi5をノックダウンおよび過剰発現したBE(2)-C細胞の培養上清において、両者の間で発現量(分泌量)が著しく異なる分子群を探索した。また、Evi5のがん微小環境への影響をみる目的で、BE(2)-C細胞とMSCを共培養し、それぞれの細胞増殖におよぼす効果を検討した。

今後の研究の推進方策

Evi5をノックダウンおよび過剰発現したBE(2)-C細胞の培養上清において、両者の間で発現量(分泌量)が著しく異なる分子群の同定を目指して、両者の培養上清をSDS-PAGE、銀染色する。染色の濃さが大きく変化したバンド群を質量分析(Mass Spectrometry)にて同定していく。また、BE(2)-C細胞とMSCの共培養系において、Evi5をノックダウンおよび過剰発現したBE(2)-C細胞を用いて、神経芽腫細胞とMSCとの相互作用におけるEvi5の役割を明らかにしていく。

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公開日: 2021-01-27  

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