研究課題/領域番号 |
19K17399
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
近藤 星 岡山大学, 大学病院, 医員 (90834838)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | UCA1 / メトホルミン / ドラッグリポジショニング / CCN2 / 線維化 / 非コードRNA |
研究成果の概要 |
糖尿病治療薬メトホルミン(Met)による抗線維化効果と、CCNファミリー蛋白質2および非コードRNA(UCA1)の関与の有無を調べた。ヒト線維肉腫由来HT-1080細胞ではMet添加によるUCA1とCCN2の遺伝子発現の低下、特発性肺線維症患者由来肺線維芽細胞ではMet添加による一過的なUCA1とCCN2の発現誘導とその後のUCA1では非添加群と同程度、CCN2ではさらなる低下が見られた。ヒト軟骨肉腫由来HCS-2/8細胞ではMet添加でUCA1発現の上昇とCCN2の若干の低下が見られた。細胞種によりUCA1の応答性に差があるものの、Metは線維化促進因子CCN2の発現を抑制すると思われる。
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自由記述の分野 |
分子生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究成果は糖尿病治療薬メトホルミン(Met)が線維化を促進するCCN2の発現低下に関与することを示している。一方、MetのUCA1発現への影響は細胞種によって異なり、線維肉腫ではMet添加でUCA1が減少した一方、肺線維芽細胞と軟骨細胞ではUCA1が誘導されたことは興味深い。我々の研究グループは以前にUCA1の軟骨細胞分化促進作用を報告しており、Metの抗線維化作用に加え、非コードRNA(UCA1)を介した軟骨保護作用がある可能性を示した点で学術的な意義がある。また、Metを抗線維化薬や軟骨疾患治療薬としてドラッグリポジショニングする基盤への一助にもなると考えられ、社会的な意義も大きい。
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