研究課題
若手研究
telmisartanは分子標的治療薬(sorafenib, lenvatinib)と併用することで強い細胞増殖抑制効果を示し、血管新生分子群のアレイ解析ではtelmisartanによってFGF発現亢進を認めたが、分子標的治療薬との併用でキャンセルされた。肝細胞癌の腫瘍異種移植モデルマウスではtelmisartan+lenvatinibで4分子のmicroRNA(miR-571, miR-655-5p, miR-2681-5p, miR-3122)が有意に変化した。
肝臓内科
近年、肝細胞癌 (HCC) に併存する高血圧治療の際や、分子標的治療薬の副作用である血圧上昇に対してアンギオテンシンII受容体拮抗薬 (ARB) を処方する機会が増えている。本研究でARBであるtelmisartanに分子標的治療薬を併用することで抗腫瘍効果の増強を認め、分子標的治療薬治療中に生じた高血圧に対してどの降圧薬を選択すべきかの一つの指針となりうると考える。細胞由来とエクソソーム由来のmicroRNA(miRNA)解析を行うことで、新たな癌抑制機構のエクソソームmiRNAを同定し、miRNAを標的とした治療戦略の可能性について検討することができた。