2019年12月から2021年4月の期間に、膵癌17症例の末梢血から遊離DNA(cell-free DNA; cfDNA)を抽出し(平均濃度233.1pg/μl)、前向きに追跡した。長期間の追跡が可能であった症例では、いずれも一旦低下したcfDNAが再上昇に転じた。cfDNA由来の網羅的遺伝子発現解析(cfDNA-seq)の経時的変化に着目すると、ALK、BCL2L2、FGFR4など一部の遺伝子変異が、症例や化学療法前後に問わず一致していた。また、外科切除検体由来のDNA-seqとcfDNA-seqを比較すると、病状の進行と共に両者の遺伝子発現の差異が大きい結果であった。
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