分子標的治療薬ソラフェニブ(SFN) 耐性肝癌細胞株の解析により、細胞内エネルギーレベルの低下、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ/プロテインキナーゼB経路の代償性活性化、プリン代謝のde novo経路の抑制、salvage経路の活性化を見出した。さらにSFN耐性肝癌細胞株はSFN再投与に反応して脂質代謝に関わる転写因子の発現が上昇していることを見出した。43種類のエピゲノム修飾阻害薬と8種類のシグナル標的阻害薬を用いて薬剤スクリーニングを行い、耐性株に対して増殖抑制効果を示す4種類の候補薬剤を同定した。本成果は分子標的治療薬に抵抗性を示す肝癌に対する新しい治療薬の開発につながり得る。
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