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2021 年度 研究成果報告書

エピゲノム薬と環境因子の相互作用による肝癌治療の基礎的検討と臨床応用

研究課題

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研究課題/領域番号 19K17403
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分53010:消化器内科学関連
研究機関熊本大学

研究代表者

長岡 克弥  熊本大学, 病院, 助教 (00759524)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード肝癌 / エピゲノム薬 / 分子標的治療薬 / 治療抵抗性獲得機序
研究成果の概要

分子標的治療薬ソラフェニブ(SFN) 耐性肝癌細胞株の解析により、細胞内エネルギーレベルの低下、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ/プロテインキナーゼB経路の代償性活性化、プリン代謝のde novo経路の抑制、salvage経路の活性化を見出した。さらにSFN耐性肝癌細胞株はSFN再投与に反応して脂質代謝に関わる転写因子の発現が上昇していることを見出した。43種類のエピゲノム修飾阻害薬と8種類のシグナル標的阻害薬を用いて薬剤スクリーニングを行い、耐性株に対して増殖抑制効果を示す4種類の候補薬剤を同定した。本成果は分子標的治療薬に抵抗性を示す肝癌に対する新しい治療薬の開発につながり得る。

自由記述の分野

消化器内科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

SFNは進行肝細胞癌に対する標準的治療のひとつで、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法の禁忌症例やC型肝炎ウイルス陽性症例においては有益であり、長期投与可能な症例も多い。一方でSFN治療耐性における細胞生物学的機序はよくわかっていない。本研究の結果は、SREBP-1cの機能阻害とSIRT2阻害はSFN耐性肝癌に効果的な可能性を示唆している。またメタボローム解析により見出されたプリン代謝salvage経路の活性化は将来的に新しい治療標的となり得る。
以上より、本成果は分子標的治療薬に抵抗性を示す肝癌に対する新しい治療薬の開発につながり得るため、潜在的な社会的意義がある成果であったと考える。

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公開日: 2023-01-30  

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