申請者らは酸化的DNA傷害修復酵素MUTYH欠損マウスに高カロリー・高酸化ストレスを負荷した新規NASHモデルマウスを作成した.本研究は同マウスの評価および新規抗酸化療法の開発を目的とした. 高脂肪,高コレステロール食+鉄過剰食(HFHC+Fe)を給餌したマウスの肝組織内に酸化ストレスの指標とされる4-HNEおよび8-OHdG量の増加を認めた.MUTYH-nullマウスにHFHC+Feを給餌したところ25%のマウスに肝腫瘍を認めた.遺伝子発現を比較したところ,ヒトの肝細胞癌で比較的高頻度に認められるWnt/β cateninシグナル異常の関与が明らかとなった.
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