DSS腸炎モデルでは、Slco2a1-/-マウスで腸炎が悪化した。腸管組織のマイクロアレイ解析の結果から、NLRP3に焦点を当てた。Slco2a1-/-マウスにおいて、mature-IL-1β、cleaved-caspse-1、NLRP3の蛋白発現が亢進しており、インフラマソームが活性化していることが示唆された。また、マクロファージの関与が示唆され、骨髄マクロファージ (BMDMs)を分離後、LPSで刺激したところ、mature-IL-1β、cleaved-caspse-1、NLRP3の蛋白発現が亢進した。インフラマソームの阻害薬であるMCC950を投与したところ、Slco2a1-/-マウスと野生型マウスの炎症は同程度となり、インフラマソームが関与することを確認した。 Lysozyme M (LysM)特異的SLCO2A1ノックアウトマウスと野生型マウスのDSS腸炎モデルを作成したところ、腸炎が悪化したことから、マクロファージのSlco2a1が炎症の因子であり、Slco2a1-/-マウスと野生型マウスの、DSS腸炎モデルにおける腸管のPGE2とPG関連のmRNAを測定し、Slco2a1-/-マウスでは、組織内にPGE2が貯留し、代謝できていない結果を得た。またマクロファージでもPGE2や関連するmRNAをの結果も合わせると、Slco2a1欠損が原因で、PGE2の細胞内への輸送が障害され、PGE2の代謝が低下し、マクロファージ周囲のPGE2濃度が上昇していることがわかった。Slco2a1-/-マウスにおいてインドメタシンで炎症が改善した。さらにLPSで刺激を行う前にインドメタシンを投与したところ、Slco2a1-/-マウスのBMDMsではPGE2の添加濃度に従って、mature-IL1bとCleaved-capase-1の発現が亢進し、インドメタシン投与すると発現が低下した。
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