ピロリ菌が胃癌の原因のほとんどを占めることは明白であるものの、ピロリ菌が感染していないにも関わらず発癌する胃癌(未感染胃癌)については未だ不明な点が多く十分に検討されていないのが現状です。本研究では、未感染胃癌に対して次世代シーケンサーを用いた網羅的解析を行い、その特徴的な遺伝子変異を同定しました。その結果、GNAS遺伝子とAPC遺伝子の変異が、通常の胃癌と比較して高頻度であることが判明しました。また、未感染胃癌の中でも①胃底腺型胃癌 ②分化型胃癌 ③未分化型胃癌の3種類があることが知られていますが、GNAS変異は胃底腺型胃癌、APC変異は分化型胃癌に特徴的であることが判明しました。
|