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2020 年度 実施状況報告書

NAFLDとサルコペニアの病態連関メカニズムと治療標的分子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K17418
研究機関旭川医科大学

研究代表者

長谷部 拓夢  旭川医科大学, 大学病院, 医員 (10596282)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードNAFLD / 加齢
研究実績の概要

食餌誘導性NAFLDマウスモデルを作成し、骨格筋との関連について検討を進めている。通常に飼育しただけでは骨格筋の変動が誘導されないことから、若年から 高脂肪食を摂餌するマウスと加齢させてから摂餌を開始するマウスを用いることで、その差異について検討している。
今のところ、病理学的に通常食摂餌において加齢群の方が、若年群よりも肝線維化は進展していることを見出している。これに対して高脂肪食摂餌ではこの差に乏しくなり、若年からの高脂肪食負荷が同等に肝線維化を来していた。マウスの握力に明らかな差異は今のところみられていないが、病理学的には加齢群において筋萎縮が軽度進行しており、加齢に伴う筋組織への変化が見られている。血清学的検討も行い、ALTを指標とした炎症からは加齢群において有意に脂肪化に伴う炎症が強く起きていることを見いだした。
肝臓および筋肉に対して起きている変動が、分子生物学的にどのように連関するかは現在解析を進めているところであり、特筆すべき結果は得られていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウスモデルの作成は進められ、得られたサンプルによる解析は行えている。しかし、当初予定していた網羅的遺伝子発現解析を実施するには至っていない。分子生物学的解析を進めるために網羅的な解析が必要と考えられるが、本研究が過栄養による肝炎を背景とした検討であり、筋組織も体内の大きな代謝臓器であることから、代謝に関連する解析も必要である可能性を考えている。このことから、現在網羅的解析の候補として遺伝子発現解析の他にメタボローム解析などの実施を検討しており、解析するに至っていないのが現状である。

今後の研究の推進方策

肝臓と筋肉の食餌による変化は軽度であり、ある特定の生体分子に限定した解析では複雑な連関の解明は困難と思われ、網羅的解析による分子生物学的変化の検討が必要になる。そのため今後網羅的解析として遺伝子発現やメタボローム解析などを候補として考え、本研究の範囲内で実施できるものを行っていく。それにより肝・筋連関という観点での病態変化の検討を進めていく。
これにより候補分子がある程度わかれば、細胞培養モデルを用いた組織・細胞連関に関する検討も進めていく。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染拡大に伴う研究活動の一時停止によって、研究を一時停止する必要が生じた。また、使用した試薬及びマウス飼料の値引きなどによっても、想定していたより安価に試薬・試料が手に入り、次年度使用額が生じた。
次年度使用額については、研究計画に基づきマウス飼料や遺伝子発現解析、分子生物学的解析に用いる試薬や解析費用に対して使用していく計画である。

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公開日: 2021-12-27  

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