食餌誘導性NAFLDマウスモデルを作成し、骨格筋との関連について検討した。通常に飼育しただけでは骨格筋の変動が誘導されなかったことから、若年から高脂肪食を摂餌するマウスと加齢させてから摂餌を開始するマウスを用いることで、その差異について検討した。病理学的に通常食摂餌において、加齢群の方が、若年群よりも肝線維化は進展していることを見出している。これに対して高脂肪食摂餌ではこの差に乏しくなり、若年からの高脂肪食負荷が同等に肝線維化を来していた。 マウスの握力に明らかな差異は今のところみられていないが、病理学的には加齢群において筋萎縮が軽度進行しており、加齢に伴う筋組織の変化が見られている。血清学的検討も行い、ALTを指標とした肝炎の評価からは加齢群において有意に脂肪化に伴う炎症が強く起きていることを見いだした。 肝臓および筋肉に対して起きている変動に関して、分子生物学的な連関についての解析をおこなったが、特筆すべき結果は得られておらず論文公表には至らなかった。しかし、脂肪肝により起こる体内の鉄代謝関連分子の変動に関して、国際学会において公表している。
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